純恋〜ひとつの光〜


「なんでそんな嘘…」

「ククっ、俺が誰だか忘れた? 侠極会 月城組の次期若頭だよ? この世界で生まれ育った生粋の極道もんなのよ」

それは本当の事だが、青葉の前では俺はただの男だった。

青葉の目からついに涙が溢れる。

もう、青葉の涙を拭いてやり慰めるのは俺じゃない。

俺なんかが近づいていい相手じゃないんだ。

「嘘で生きてるみたいなもんだから俺。ごめんね?」

俺はそう言って精一杯笑った。

「そんなっ…。私は…信じない…」

泣きながら青葉はそう言う。

青葉…

抱きしめたい気持ちをグッと抑える。

「それじゃ」

俺は最後にそう言って射撃場を後にした。

「坊…? 青葉さんは…」

「下にいる。そのうち来るだろ。来たら最後に送ってやって」

「え…? どういう意味すか…?」

五十嵐が困惑した顔をする。
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