純恋〜ひとつの光〜

そしてめぐる日もめぐる日もつまらない日々を過ごし、どっぷりと裏の世界に染まりながら数年が経ち、俺は29歳になった。

あの頃の青葉と同じ歳だな…

29歳か…

なってみたら大した事ないな。

ただ時間だけが過ぎていくばかりで、俺は立ち止まったまま何も成長できずにいる。

実につまらない人生だ。

人を殺めることも、嘘をつく事も、昔から平気だったように今も変わらず俺は狂ってる。

痛みも鈍く、限度を知らない。

結局若頭になっても、自由が奪われただけで何も変わらない。

そして変わらず別な花屋から買ってきた赤のガーベラが部屋を彩る中、結局俺は青葉を想い続け一日たりとも忘れる事などない。

忘れたいとも思わない。

青葉は俺の一部なのだから。

一緒に住んでいたマンションを青葉にやってからは、俺は実家である本家に身を固めた。

これが本来あるべき姿だから。

はぁ…
青葉…

自分の脇腹のタトゥーを見るたびに、青葉の泣き顔が思い出される。

もう4年か…

元気にしてるのだろうか。

身体だけじゃなく俺は心まで傷つけた最低なヤローだ。

これは後悔しているからなのか、なんなのか。

会いたい気持ちにただひたすら蓋をして見ないフリをする。

俺の決断は間違ってなかったのだと、何度も何度も自分に言い聞かせる日々。

眠りにつく前には色褪せることなく蘇る青葉との蜜月。

俺を照らすたったひとつの光。

俺はあの頃、青葉を幸せにしてやれていたのだろうか。

いつだって不安に苛まれる。
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