純恋〜ひとつの光〜
お尻丸出しで知らない女に馬鹿みたいに腰を振ってなんて滑稽なの。

「青葉!? なんでこんな早く!?」

「誰!?」

女が太一に尋ねる。

「あ、家族だよ。いや、他人だ他人」

「他人!? 10年以上一緒にいて?」

私は太一の言葉に反応する。

「青葉お前、ふざけんなよ!」

そう言って慌てて着替え始める太一。

「太一くん、私帰る。この嘘つき!」

女も手早く着替えて泣き出しそうになりながらも、私の肩に体当たりするように部屋を飛び出して行く。

「沙奈! 待ってくれ! 沙奈!」

はっ!
この期に及んで他の女を追いかけようとする太一に私はプチンと何かが切れてしまった。

「太一。絶対に許さないわよ」

「はぁ!? お前なんか俺がいなかったら何も出来ないくせに、何を偉そうに。少しくらい他の女抱いたくらいで」

「何言ってんの?」

「お前のその傷だらけの身体なんて、俺以外誰が慰めるんだよ」

そう言って冷たく言い放たれる。

「うるさい! 早くこの家から出てってよ!」

私はそう言い残し部屋を飛び出した。

ちくしょうっ…

「青葉さん」

「耀くん…」

そうだった…
耀くんが来てくれてたんだった。
情けない…

「行こう、青葉さん」

そう言って耀くんは先ほどのように冷たい声ではなく、優しい声で私の腰に手を添えて支えるように歩き出した。
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