純恋〜ひとつの光〜
階段を下りるとそこにはピカピカに磨かれた一台の黒のフルスモークの外車。
その車の横には部下と言っていたあのガーベラを買いにくる男性がジッと険しい顔でこちらを見ていた。
「さ、乗って」
耀くんが私を後部座席に乗せる。
「青葉!」
その時、太一の声がして私は振り返ろうとする。
「振り返るな。もう、元には戻れない」
耀くんが、私を隠すように立ちはだかる。
元には戻れない…
わかってた。
わかってたの。
太一はもう、私を想ってくれてないって…
「青葉! お前、誰だよそいつ!」
太一がまた叫ぶ。
「耀くん…私っ…どうしたら…」
「相手にするだけ無駄だ。さ、乗って」
その声がとても優しくて、私は言う通りに振り返らず車に乗り込んだ。
どこへ向かって走ってるのかもわからないまま、過去を振り返る。
出会ったばかりのあの頃を。