純恋〜ひとつの光〜
そしてホテルに着いて最上階の部屋へ彼女を連れて行ってベッドにそっと下ろした。

ここなら安心して眠れるだろう。

「おやすみ」

頭を撫でてそっと離れる。

そして少しの間、彼女の寝顔を椅子に座り見守る。

長いまつ毛に、スッと高い鼻。
唇は食べてしまいたくなるような可愛らしい形をしていて、思わず固唾を飲んでしまう。

綺麗だ…

まるでおとぎの国から飛び出して来たみたいに。

でも隈が酷く、これまで余程小さな身体を駆使して生きてきたのかが分かる。

すると嫌な夢でも見てるのかまた泣き出した。

俺はそっとベッドに腰を下ろし、頭を撫でる。

「大丈夫だよ。大丈夫」

もう泣かなくていい。
もう、苦しまなくていい。

優しく、壊さないように涙を指ですくう。

すると無意識だろうが、俺の手を握り安心したような顔でまた静かに眠る彼女。

このままその可愛らしい唇に喰らい付いてしまいたいのをグッと堪え俺は部屋を出た。

「ご一緒しないんですか?」

「うん。まだ早い」

もっと彼女が心を開いてくれないと。

「左様で…」

「五十嵐、誰かに花屋で働くように言って」

「はい!?」

「だって今日、青葉さんは仕事だろ」

「いやそうっすけど…」

「んじゃ俺が行っていい?」

「坊っ! それはいけません」

ほらな。
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