純恋〜ひとつの光〜
"耀くん。今起きました。昨日はありがとう"

メールをとりあえず入れてせっかくなのでシャワーを浴びる。

凄いなぁ。

人生で初めてだ。
こんな豪華なお風呂に入るのは。

そっか。
耀くんは、ホテルの御曹司くんだったのか。

どおりでリッチな佇まいをしている訳だ。

何で私の事なんて…

でも昨日耀くんの顔を見て私は本当に安心した。

優しくも、強く抱きしめられて、頼もしかった。

心配してきてくれたんだよね…

そしてこんな素敵なホテルに連れ出してくれたんだ。

優し過ぎない?

そんな事を思いながら広い湯船に脚を伸ばす。

左腕を見れば相変わらず父親に付けられたタバコの焼きの跡。

一生消えないんだろうな…。

私の心の傷は癒える時が来るのだろうか。

でも、耀くんが現れてからなんだか私の生活は良くも悪くも目まぐるしく動き出した感じがする。

太一と過ごした時間は、いつの間にか時が止まったようになんの変哲も無く過ぎ去っていて、まるで外の世界を知るこ事もなくただ毎日を過ごしていた。
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