純恋〜ひとつの光〜
「こ、降参です…」

私はそっと目を開けた。

すると本当に耀くんの顔が目の前にあって思わず目を大きく開けてしまう。

驚いたのも束の間、耀くんに唇を食べられた。

「よ、耀くんっ…」

「ねぇ。さっきの電話聞いてた?」

こ、これは…

私は思わず首を横に振った。

何故か知らないフリをした方がいいのかと思ってしまって。

耀くんの目が月明かりに照らされて一瞬、妖しく光ったから。

「あそう」

耀くんはそう言うと私から離れてまた横になった。

「寝よう」

「うん…、おやすみなさい」

「おやすみ」

何だろう…

やっぱり耀くんはどこかミステリアスだ。

近づいて来たかと思えば、壁がある感じがする。

それがなんだか寂しいと感じた。

さっきまで背中に感じていた耀くんの温もりが今はなくて、むず痒い。






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