次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜
3.別れましょう
就活はうまくいったが住処は中々見つからないままひと月経とうとしていた。菜美姉は、しばらくうちにいればいいと言ってくれたがそんなに甘えるのは申し訳ない。それにきっと雫さんはよく思わないだろう。
「そろそろ別れを告げなきゃなぁ」
はぁ、とため息を吐いているとスマホの画面が表示され通知が表示された。それは菜美姉からだった。
【知り合いにも聞いてみたら、病院と就職先に近い物件探してみたから見てみて〜】
そんなメッセージとともに幾つかの物件のURLが送られてきていた。
なので【ありがとうございます!見てみます】と送り、URLをタップするが……大変そうなものばかりだ。
一つ目の物件は、家賃はまぁまぁ安いけど駅から遠い。遠すぎるしバスもない。徒歩三十分って無理でしょ……
二つ目の物件は激安だけど、大きな道が目の前で車通りが多く少しうるさいらしい……なんか微妙?
三つ目はとても古くて心理的瑕疵と書かれている。ということは、事故物件のような感じなのかな。
「これはどう返事をしたらいいんだ……!?」
とりあえずは内見に行ってみるのがいいのではないかと思い、菜美姉に連絡すると一緒に内見行こうかと言ってもらえたので来週の土曜日に内見に一緒に回ってもらえることになった。
だが、どれも印象通りのものでこれだ!というものはなかった。
それなのに時間は止まってくれなくてそれを見兼ねたハルくんと雫さんが決まるまでうちにいるといいよと言ってくれてしばらくはお世話になることになった。