次期社長の執着愛。 〜御曹司だと知らずに逃げた苦労人女子なのに、社長になって、全力情愛で追いかけてくる。〜



 少しずつ引越しの準備をしながら、私は課長に辞表届を提出をした。
 驚いていたけど、この件は内密にと言えば何か勘違いしたのか了承してくれて退職日は今月末になったが今は中旬。有給をほとんど使わなかったので来週から二週間使い仕事の最終日は今週の金曜日になった。
 それにその日は、ちょうどよく奇跡的に桜志くんも理人くんも瑞希も出張でいないのだ。

 周りに辞めることを悟られないように少しずつ荷物を運び出していき、あとはテーブルだけとなった。
 私が担っていた業務マニュアルもまとめたし、仕事の引き継ぎは完璧だ。


「……あとは本当に別れるだけだな」


 それが一番、大変なことだ。

 だけどこれは仕方のないことで、自分で決めたこと……あの人は純粋で優しくて誰からみてもいい人で私なんて相応しくないんだから、これでいいんだと思いながら私は桜志くんにメッセージを送ろうとした。

 だけど、なぜかあちらからメッセージが届いた。



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