コドカレ。
act.5 噂の小学生
「出来たら産むしかねぇだろ?」
あり得ない!!
馬鹿じゃないのコイツ。
まだ小学5年生のガキなのに何が育てるよ。
金も無いのにガキがガキ育てるって。
危険な日にやらせる程、私馬鹿じゃないし。
それに、もし出来てても下ろすに決まってんじゃん。
でも。
それでも――
私に向けられた真っ直ぐな強い視線は、全く曇りがなくて、あまりにも純粋で。
凄く羨ましいかった。
私はいつから、こうなってしまったのか。
かつては純粋な頃もあった筈なのに……。
私が男運が無いのではなく、私が相手を知ろうとしてないのは分かっていた。
泣くつもりなんて無かった。
失恋したって泣いた事なんか無かったのに。ましてや、こんなよく知らない小学生の前でなんてあり得ないのに……。
それなのに、私の頭の上に置かれた小さな手は、とても純粋で温かかった。
そしてこの日を境に──、
私とヤマトの不思議な関係が始まった。