コドカレ。
金曜日。
いつもの人気のない公園で待っているものの、ヤマトは来ない。
ヤマトはいつも夕飯の時間になると帰ってしまうけど、その時間が過ぎても来る気配がなかった。
ペンキの剥がれたベンチに座る私は、昼間のメグのとの会話を思い出し
「もう会えない、か……」
小さな溜め息が出た。
正直もう帰ろうかと思った。
でもベンチから立ち上がろうと思っても、腰がなかなか上がらない。
いつも隣り座っている筈のヤマトの姿が無いだけでこんなに虚しくなるなんて、私はヤマトとの妙な関係を自分が思っていた以上に気に入っていたのかもしれない。
それもこれも自分が蒔いた種。いつかはこういう日はきていた。
それが遅いか早いか、あきるかあきる前か、ただそれだけの話。
やっぱりもう帰ろう。
再びそう思い、重い腰を持ち上げようとしたその瞬間、
「うわ、本当にいた……」
聞き覚えのある低い声が耳に入る。
顔を上に上げると、
「なんでタイガがここに?」
制服姿のタイガが目の前に立っていた。
眉間に皺を寄せた私の隣りに何故か腰を下ろしたタイガは、私に缶ジュースを渡す。
まだひんやりと冷たいところをみると、買ってきたばかりなのかもしれない。
そして──、
「ヤマト。林間学校」
ヤマトが来ない訳を、たった一言で教えてくれた。
「……え?」
「今日から2泊3日」
「……あ」
そういえば、そんなのあるような事を言っていたかも。
ヤマトとの会話のやり取りを頭の隅っこから思い出し、
「そっか。……良かった」
私が小さくそう漏らすと
「お前変わったよな」
タイガがマジマジと私を見て口を開いた。