コドカレ。


「え!彼女いたの?」

「え、……うん」

メグの面白がってする質問に対し、オドオドしながらも答える男の子の姿はまるで小動物そのもの。


「ねぇねぇ、どの位付き合ってたの?」

「何で別れちゃったの?」

「でさー、どこまでしたの?」

メグの尋問はどこか違うところに向かっていくから、さっきまでベラベラと話していた男の子は顔を真っ赤にさせて下を向いてしまう。

でも、興味はある……。

私だって初めて出来た彼氏は中学生になってからだった。今の小学生がどの位すすんでるのか気になって、質問攻めされている男の子の方に視線を向ける。


「キスまでだよなー」

なんて、チビの方に言われてしまい、男の子は耳まで真っ赤になってしまった。


「へー。じゃぁ、その先は知らないんだ?」

メグは耳元で囁いて、ゆっくりと男の子の手に自分の手を絡めた。
反対の手で顎をグイッと持ち上げるからメグの行動にギョッとしてしまう。


彼女がいたという事でポイントが上がったのか、メグは獲物を捕らえる様な目になっていて。

女という生き物は心底怖いと思う。
女の影が見えると、その男の価値が上がるのだから。
相手はまだ小学5年生の子供なんだけど。


「おっ、俺!ジュース持ってくる!」

メグの行動に真っ赤になった男の子は慌てて立ち上がると、グラスを手に取ってドアに向かった。


「私も」

そう言って、メグも席を立つ。


「メ、メグ?」

私が慌てて声をかけると、


「なんか可愛いから色々教えてあげてくる」

なんて、クスクス笑いながら男の子に続いて部屋を出て行った。

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