コドカレ。


この薄暗い部屋に残されたのは、私とチビで生意気そうな男の子。

部屋の中で会話をしていたのは、殆どメグと男の子2人で、メグがいなくなると必然的に部屋は静まりかえった。


「あ、私もジュース持ってこようかな……」

気まずくなって、その場を逃げようと立ち上がろうとしたその時。


「お姉さん。俺には教えてくんねーの?」

生意気そうな男の子が、私を馬鹿にした様に口許を緩めた。

ニヤッと口角を上げる笑い方そのものが、昔のはじめての男と重なって見えた。
この間、浮気して別れた元彼も私の事を"好きだ"って言ったくせに、結局は口だけで全部嘘だったんだ。

正直、私だってたいして好きじゃなかったかもしれないけど、ラブホの前で"知らない人"呼ばわりされた私は惨めそのものだった。


苛々する、目の前の生意気な男の子に──。


ソファに腰掛けているチビの男の子の横に座ってゆっくりと距離を縮めて。
"チュッ"と唇が軽く触れるくらいのキスを落とした。

すると二重の大きめで少年らしい曇りの無い瞳が見開かれる。

その後すぐに頭を両手で掴んで、思いきり舌を突っ込んでやった。


「んん…!?」

ねっとりとした舌を無理矢理絡ませて、息が出来ない位に奥まで浸入させた。
次第に深くなっていくキスは、室内にリアルな音を響かせる。

一端唇を離しすと呆然とする男の子の口の周りは濡れていて、自分がそうさせた事に酷く興奮を覚えた。


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