天使の階段
興奮しているお父さんに、腕を掴まれて、無理やり階段を降ろされた。

「お父さん!」

その光景を目撃したお母さんまで、居間に駆けつけた。

「さあ、言え!なぜ学校に行かないか!」

そう叫んだお父さんは、私を見て驚いた。

続いて駆けつけた母親も、私を見て目を丸くした。

「紗香……なんだ、その腹は……」

お母さんは両手で、顔を抑えている。

「どうしたんだ……病気なのか?」


病気……

いっそ病気だったらよかったのに。


「……違う。」

もう本当の事を言って、楽になりたかった。

「妊娠してるの。私……」

「妊娠!?」

急にお父さんが、私に掴みかかる。

「相手は誰だ?同級生か!」

血の気が引いていくのが、分かった。
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