天使の階段
「ううん……一回り以上も年上の人……」

「そんなヤツと、付き合ってるのか!」

私は意識が飛びそうになるのを我慢しながら、頭を横に振った。

「付き合ってない。一度だけ……一度だけ、そういうことがあって……」

崩れるように座ったお母さんと、逆上するお父さん。


「何て名前の男だ!娘をこんな目に合わせやがって!!」

名前……

タカさんとしか 知らない。

「分からない……」

「なに?」

「何て名前の人か、分からない。」

お父さんは興奮しながら、私の肩を掴んだ。

「分からないって、そういう関係になったって事は、少なくても知ってるヤツだったんだろ!?」

「知らない……だってそんなの、関係なかった……お金さえ貰えれば……そんな事……」

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