天使の階段
しばらくして、私は2年生になった。

柊子から、【今年も同じクラスだよ】というメールが届いた。

携帯をパタンと閉じて、ベットの中にもぐりこんだ。


あれからもうすぐ6カ月が過ぎる。

どんどん大きくなるお腹を、誰にも相談できなくて、とうとう一日の大半を、ベッドの中で過ごすようになってしまった。


「紗香。具合どう?」

心配した母親が三度の食事を、運んで来てくれる。

「うん……」

毎回それしか答えない。

するとドアの前に、ガチャと食事を置いて、また一階へと戻っていく。

私はそれを聞き終わると、そっと起きだして、食事を取りにいく。


そしてその時も、いつもと同じだと思っていた。

ドアをそっと開けると、勢いよくドアが開かれた。

「紗香!」

「お父さん!」

「おまえという娘は!毎日学校にも行かずに、何をやっているんだ!今日と言う今日は、許さないからな!」
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