天使の階段
オーディション、終了後。

「ごめん!郁!!」

私は両手を、目の前で合わせて、郁に謝った。

「いいよ、別に。寧々は背は高いし、スタイルいいし。」

「本当にごめん!まさか私だけ受かるなんて、予想外だよ~」

面接人数、800人を超す中から選ばれたのは、私を含めて5人だった。

「ほんと、信じられないよね。私の方が可愛いのに。」

私はそっと、目を開けた。

郁はイジワルそうな目で、ニコニコ笑っている。

「郁……」

「この~おめでとう!さっすが、私の親友!」

「郁~!!」

私は思わず、郁に抱きついた。

「ったく、仕方ないって言ってた割には、やる気満々だったじゃん!」

「だってやるからには、全力で臨まないと!」

夢のような話に、私は郁と二人で、盛り上がっていた。

「で?受かったからには?」

「やるしかないでしょ!」

二人でガッツポーズ。

でも。この時フリーターだった私は、やっとやる事ができた。

それだけの考えだった。
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