天使の階段
それから一週間後、早速モデルの仕事が入った。

お昼過ぎに、指定された撮影所へと向かう。


「こんにちは……」

恐る恐る部屋の中に入ると、たくさんの人が忙しそうに動いていた。

「うわ~。」

入りづらそうにしていると、後ろからドアが、大きく開いた。

「失礼。」

長めの髪の、ちょっとキツそうな目の男の人と、目が合った。

「君……」

「はい?」

どこかで会ったかな、この人に。

ふと、そう思った。


「読者モデルに受かった子だろ?」

「はい。」

「入って。スタッフに紹介するから。」

その人はわざわざ、ドアを支えてくれた。

「ありがとうございます。覚えてて下さったんですか?」

「ああ?ここに立って、入りづらそうにしているヤツは、大抵そうだよ。」

「はははは!……そうですか!」

私は苦笑いをしながら、その人に付いて行った。
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