天使の階段
撮影所に到着した私は、すぐに木下さんが待つ、鏡の前に通された。

「はい、できた。」

さすが、プロ。

短時間で、ナチュラルメイク完成。

「桜井。」

メイクが終わったと思ったら、拓未さんに呼ばれた。

「すまんな。頼んでいたモデルが、急に来れなくなったんだ。」

「いえ。時間持て余してたんで。ちょうどよかったです。」

なんだ。

他のモデルさんの、代理か。

そう思っている間に、カメラの前に立たされた。


「はい!いいよ!」

シャッターを切られる度に、私は次々と違うポーズをしていく。

「いい表情するね~。」

カメラマンのお世辞が、私をもっと調子づかせる。

「寧々ちゃん、最高!!」

その日の撮影の締めは、そんな照れてしまうような言葉で終わった。
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