天使の階段
「寧々ちゃん、よかったよ。」

木下さんがテンション高めに、やってきた。

「拓未さんにあんな事言われて、めげずにまた来た甲斐があったね。」

「ははは!そんな事言っちゃっていいんですか?木下さん。」

ほっとして、自然に笑顔がこぼれる。

「あの人、目がつり目だし、普段笑わないから怖いでしょ?」

木下さんが前のめりになった時だ。

「木下。誰がつり目で怖いって?」

後ろから本人が登場。

「やだな~拓未さん。普段笑わないってとこ、抜かしたでしょ。」

「変なところにこだわってないで、自分の仕事に戻れ。」

「は~い。」


木下さんが行った後、拓未さんは私を見た。

「よくやったな。たった数日で見違えた。」

「あ、ありがとうございます。」

努力が実った瞬間って、この時を言うのかな。

「改めてだな。俺は大槻拓未だ、一緒に頑張って行こう、桜井。」

差し出された右手に、ドキっとした。
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