天使の階段
一週間後。

撮影のスタジオの中にある鏡を見て、思わず自分の体を褒めたくなる。

「やったぁ……」

一週間前に入らなかった、あの衣装が!!

今、私の体を身にまとっている!

「なんて素敵!!」

軽やかに一回転する。

「桜井!桜井はどこだ!」

スタジオから、拓未さんが叫んでいる。

「ここです!」

壁から身を乗り出し、調子に乗ってポーズを決める。

「早くし……」

振り返った拓未さんは、私に釘つけだ。


「どうしたんですか?」

「あっ、いや……」

どうせ一週間経っても、この衣装は入らないと思っていたんでしょ?

フフンと私は、得意げになっていた。

「その服、おまえによく似合う。」

拓未さんはボソッとそうつぶやくと、バツが悪そうに去って行ってしまった。

「えっ!?」

予想外の言葉に、立ち尽くす私。

「へえ~。拓未さんがあんな事言うなんて。」

木下さんも驚いていた。
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