天使の階段
何気なく郁が捲ったページ。

この前の撮影で、撮ったページだ。

「そう言えば、郁。衣装貰って来たよ。」

「サンキュウ♪寧々。」

私が貰って来た服を見ると郁は、目を丸くした。


「寧々、こんな細い服着てんの!?」

驚いている寧々に、ちょっと優越感。

実際、普段着ているサイズよりも、ワンサイズ上を着ているけれどね。

「それは特別。私だってギリギリだったよ。」

細いウエストを強調する服だったのに、胸やお尻がちょっぴり余って、衣装を提供してくれたメーカーさんの要望に添えないってなり。

慌てた木下さんと私は、後ろをクリップで止め、なんとかウエストの細さを強調する事に、成功した。


だけど郁は、そんな事撮影秘話を知らない。

じっとその服を見て、ボソッとつぶやいた。

「私もダイエットしようかな……」

「え?」

この時の郁の言葉が、闇夜の始まりだった。

< 58 / 81 >

この作品をシェア

pagetop