天使の階段
「郁……」

「あっ、寧々!」

心なしか笑顔も変わった。

階段を昇ってくる足取りも、軽く感じる。

「びっくりした。郁、体重何キロ落としたの?」

「えっ?まだ2キロくらいだよ?」

「2キロ!?」


ちょっとちょっと~。

ダイエットするって言ってから、まだ一週間しか経ってないよ?

でも、郁が綺麗になったのは、事実だ。


私の部屋に入り、郁は座る前に、私に着ている服を見せびらかした。

「聞いて聞いて!この前、寧々に貰った服!私、着れるようになったんだよ~」

郁は、はしゃぎながら言った。

「そうなんだ。」

一回転する郁は、痩せた分体のシルエットが綺麗に出ていて、すごく似合っていた。

「どう?」

「……うん。似合う。」

「へへへ。」

私も入らなかった衣装が、痩せて着れるようになった時は、単純に嬉しかった。

でもそれと同時に私は、郁に対して、言いようのない不安に、襲われていた。
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