ケモノ男子~ある日突然もふもふだった動物たちがイケメン男子になりました!?


 すみれは私がまた夜更かしをして本を読んでいたことを怒っているみたいに「にゃあ!」と低く鳴いた。


「わかってるよ、すみれ。もう寝るから」


 そう言って私は電気を消した。


 目をつむっても、結局思い出してしまうのは、さっき読み終わったばかりの本のこと。


 横で眠ろうと丸くなるすみれとゆきに、私は話しかける。


「さっき読んだ本なんだけどね、女の子が勇敢でかっこいいんだ!どんな困難があっても、勇気をもって立ち向かっていてね。私も、あんな風になれたらいいなぁ、って」


 とまた本の感想をつらつら語っていると、すみれが私の顔をぱしっと叩いた。


 まるで「早く寝なさい」とでも言うかのように。


「いたっ、わかったよ…もう寝るよぉ…」


 すみれはつんっとそっぽを向いてしまう。


 なんだかお母さんみたいだ。


 ゆきは私の話を聞いてくれていたけれど、どうやら先に眠ってしまったみたい。


「おやすみなさい、すみれ、ゆき」


 私はまた目をつむって、先程の本に想いをはせた。



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