『人妻の過去』
仁君が帰って来たのは


0時を少し過ぎた頃。


仁;ただいま〜!参ったよ!焼き肉食ってる最中に馬場が彼女と喧嘩し出してさ,彼女が店を飛び出してったから…
みんなで探してたんだ。


ほらね,


アタシが何も言ってないのに、仁君はベラベラと話し続ける。


だって仁君…


焼き肉の匂いなんてしないよ…?


変わりにするのは、


香水嫌いのはずなのに…


甘く香る…女物の香水の匂い…。


あとはアルコールの匂い。



あきな;仁君…お酒臭い。


仁;あぁ…焼き肉屋で、少し飲んだからな〜…


あきな;…女物の香水の匂いは…?


仁君は大きくため息をついて、


仁;何?ハッキリ言えば?香水は…あきなへのクリスマスプレゼントに見て来たんだよ…!!
遅くなったから怒ってんのか?


アタシを後ろから抱きしめる…。


馬場の彼女を探して…大変だったんだ…。


アタシのプレゼントを選んでくれてたのに…。


アタシが勝手に疑って…仁君を不機嫌にさせた…。


アタシが悪い…


アタシが悪いんだ…。


あきな;寂しかったよ…疑ってごめんね…,香水、楽しみにしてるね!

最後の一言は…アタシの…

本当は信じきれてないアタシの…

最大限の嫌味。





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