『人妻の過去』

異変

そんな毎日が続いていたからか…


体調不良。


仕事中も、眠くて眠くて仕方がない…


仕事が終わって帰宅しても、優子の家には行かず

今まで寝ていなかった分を埋めるように


とにかく寝た。


仁君がバイトから帰る少し前に起きて


夕食を作る。


食べたらまた寝る。


徐々に日差しが強くなり、暑くなってきた


7月だった。


今日は七夕☆


保育園でも行事をして、みんなでお願いをした。


アタシにもお願い事があった…。


織り姫様,彦星様…


『生理が来ますように…妊娠していませんように…』


願いを込めながら…


震える手で握った…


『妊娠検査薬』





−−−白い窓に、くっきりと…


青いライン−−−


『陽性』



アタシは腰が抜けたように


はいつくばってトイレから出た。


仁君はバイト中…。


今日は飲みに行くと言っていた。


でも…バイトが終わったら帰って来てもらわなきゃ…


話さなきゃ…


だって


妊娠した以上、


−−−産むか,堕ろすか−−−


それしかないんだから。





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