超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する
「断ってるっつーの。何度も。でも、あいつ超しつけーんだ」

「ああ・・・根性はありそうだよね」

「待ち伏せが日常になっちまった。集中授業の教室は関係者以外入れないから、ホッとするぜ」

「ちゃんと言っても伝わらないの?それとも、少しはユキさんのこと嫌いってわけじゃないの?」

「はぁ?」

シンは顔をしかめた。

「言ってる意味わかんねー」

「シンはなんだかんだ言っても、ユキさんのこと拒絶しないから、嫌いって訳じゃないのかなーと思って」

「嫌いも何も、何とも思ってねー。嫌いになるほど興味もねーし」

「ふ~ん。じゃぁ、本気で迷惑してるんだ?」

「テラス…、まさか俺が喜んでると思ってたりするんじゃねーだろうな」

だとしたら心外の極みである。

「そりゃないよ」

「なら、いーけど」

「本気で迷惑なら、ちゃんと伝えた?
いつも『やめろ!』とか喚いてるけど、そうじゃなくって、生活に支障が出るからやめてほしいとか、可能性はゼロだから追いかけても無駄だ、とか」

「おまえ・・・結構残酷だな・・・」

テラスの発言に若干引き気味のシン。

「言ってないんだ。あ、そこまでは思ってないのか」

「いや、思ってる」

「ふ~ん」

そしてテラスはシンから参考書に視線を移した。
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