超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する
「あ！テラス！会話終了しようとしてるな！？」

「だって、今回の内容結構難しいし、再読しときたい」

「あーあー、そーゆーヤツだよ。薄情だな。それに、全然難しくねーし」

「や～、シンはそうかもしれないけど」

そしてテラスはシンの顔を見た。

「シンは割と好意に対して優しいんだね」

「ああん！？」

意外なことを言われてシンはテラスを凝視した。

「多分、本気で嫌だったら、近寄らせないと思うんだよね」

シンはますます意味がわからない。
テラスは自分のことを思い出していた。
アンセムに出会った当初、誘いに渋々ながらも応じたのは、彼に対して嫌いという負の感情を持てなかったからである。
きっとシンもそうなのかもしれない。嫌いと迷惑は別の話なのだから。
さて、それをどう伝えようかとテラスが考えていたら、始業の鐘が鳴ってしまった。

「この話、後で続けるからな」

シンはそう言って席に戻った。
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