超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する

「ところで、シンの追っかけはどうなった？さすがに飽きて他へ行ったのかい？」

セイラスがシンに聞いた。
唐突に話を振られて面食らうシン。

「ああ～、まだ続いてるわよ」

と、これはリリア。
同じ第三寮なので、ユキに付きまとわれるシンを何度か目撃しているのだ。

「はぁ～、物好きな女の子もいるもんだなぁ」

驚くセイラス。

「その根気に免じて、付き合ってあげたらどうだい？」

「は！？何言ってんだよ。嫌なこった」

心底嫌そうなシン。

「なかなか根性あるわよね。あの子」

リリアもセイラスに賛同したが、シンは強引に話題を変えた。

「俺のことより、テラスだぜ」

いきなり自分の名を出され、呑気に昼食のパンをぱくついていたテラスはシンを見た。

「あの色男とついに付き合い始めたんだからな」

「わ！やっぱり！」

「そうか～！」

ハッピーな話題に色めき立つリリアとセイラス。

「シンめ…余計なことを…」

自分が逃れるためテラスに矛先を向けたシンを恨めしげに見た。
シンはザマーミロとばかりにニヤニヤしている。