超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する
「いつからなの?」

「テラスにとっては初めての男だよな。どうだい?お付き合いは」

実はアンセムの前に同級生のタキノリと一瞬交際していたテラスだが、セイラスは何も知らない。

「アンセムさんと一緒にいるところ見かけないけど、やっぱり他の女子からの反感を買わないように秘密にしてるってこと?」

「ついにテラスにも好きな男ができたか~」

勝手に盛り上がるリリアとセイラス。
テラスは質問には答えずパンにかじりついた。

「相手がテラスってことは、アンセムはもう1年寮生活ってことだな」

セイラスの発言に、テラスは食べる手を止めた。
第三寮では最低3年生活しなければならない決まりだ。
パートナーが決まっていても、どちらかが3年に達しなければ卒寮できない。

「そっか、セイラスとアンセムは3年目だから、そうなるんだ」

「そう言えば、セイラスはどうなの?後半年だけど、相手は決まってるの?」

リリアが質問した。

「ああ。僕は相手が同学年だから、あと半年で卒寮だね」

「そうか~、なんか寂しいね」

「あはは、テラスがそう言ってくれると嬉しいよ。
だけど、このまま行けば、数年後は研究室で再会できるかもしれないよ」

「ねぇねぇ、相手はどんな人なの?」

リリアが目を輝かせて質問した。

「どんな人って言われても、表現し難いなぁ」

「写真ないの?写真」

「そんなの持ち歩いてないよ」

「じゃあ、明日持ってきて!」

「野次馬なヤツ」

シンがボソっと呟いた。
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