超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する
(ひえ~~~!)

いつもと違って容赦なしのアンセムに、テラスは泣きそうになる。
心臓が痛い位に動悸が激しく、そのうえアンセムから与えられる表現しがたい感覚に、何も考えられない。
ふとアンセムの唇が離れた。

「息して」

短く、低く囁かれる。
テラスは言われるがまま、息をした。
すると、また唇をふさがれる。
そして、苦しくなりそうになると、絶妙のタイミングで、アンセムが「息して」と、促してくれる。
そんなことを何度か続けているうちに、アンセムの言葉掛けなしに、テラスは息ができるようになった。

長くて甘いキスに、テラスはフワフワと足元が覚束なくなる。
なんだろう、これは。体が熱い。

「んん・・・」

自分ではないような声が漏れる。
テラスの初めて聞く甘い声に、アンセムは愛しさが溢れた。
触れたい!もっと!
自制がきかなくなりそうだ。
しかしここは図書館である。
アンセムは最大限努力して、テラスから離れた。
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