超人気美男子の彼女になった平凡女は平和な交際を求めて苦悩する
「・・・はぁ」

やっと開放され、テラスからため息が漏れる。
アンセムを見つめる目は少し虚ろだった。
初めて見るテラスの表情に一瞬体が震えるアンセム。
鋼の理性で自分を保つ。

「大丈夫か?」

辛うじて、テラスを思いやる言葉を発した。
急に恥ずかしくなるテラス。

「大丈夫!」

パッとアンセムから離れる。
きっと今自分の顔は真っ赤だろうと思うと、余計に恥ずかしくなった。

「今晩、部屋に行ってもいいかな?」

「ダメ!!」

即却下。こんな状態で部屋に入れたらどうなってしまうのか。
恐ろしや恐ろしや。

「アンセムこそ、時間大丈夫?」

無理矢理話題を変えてみる。

「まだ余裕あるよ」

「でも!早く来る人もいるかも!ってことで、帰ろう」

テラスは台車を押して、さささ~っと歩き出した。
アンセムは肩をすくめてテラスに着いて行く。
正直ホッとした。
テラスから離れてくれなければ、歯止めが効かなくなりそうだったから。
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