【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
 怪我をしているウィリアムの腕に素早くハンカチを巻くと、私は彼に頷き腕を取って歩き出した。

――――私たち一行は無言のままで、地下街へ出入り口へと向かった。

 そして、夕暮れの赤い光が広がる空を見て、ほっと息をついた。

 ああ。良かった。

 思わぬ展開ではあったけれど、一週間後に再び訪問すれば、オブライエン一家の助力は得られるかもしれない。

「……とりあえず、会ってもらえることになったな。話も聞いてくれるだろう」

 私と同じことを考えていただろうウィリアムもなんだか、にっこり笑って満足そうにしている。

「あの、ウィリアム様。怪我は大丈夫ですか?」

 王太子の彼が怪我をするなど、本来絶対にあってはならないことなのだけれど、既にそうなってしまったのなら仕方ない。

 今まで無反応に近かったから、脅しでナイフを投げられるなどと、想定出来なかった私の考えが甘かったのだかわ。

「ああ。気にするな。かすり傷だ。もっとも、これは脅しのつもりだったんだろう。この時間が過ぎても何もなければ、薬や毒なども塗られていない」

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