【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
 こんなことをウィリアムから改まって、持ちかけられるなんて……一体、何事なの?

「あ……はい。もちろんですわ」

 何があるのだろうと戸惑いつつも、私はさっと立ち上がった彼に続いて立ち上がった。

 歩き出したウィリアムは居間から出れば、離宮の廊下をゆっくりと歩いた。

 ここは王族が主に使用している豪華な離宮なので何部屋も用意されているけれど、ウィリアムが主に使用するのは、寝室と居間の二部屋しかない。

 私だってその二部屋以外に居たところを見た機会は、あまりなかった。

 ……いえ。

 ウィリアムは敵だらけの中で、自分を少しでも守るために、そこから動かなかったのかもしれない。

 だから、こうして普通に廊下を歩いている背中を見て、なんだか私は感動していた。

 ウィリアムはもう……どこにも逃げ場なく、閉じ込められた王子様ではないわ。

「……あの後、良く考えたんだ」

 先を歩いていたウィリアムは前を向いたまま話し始め、私は何のことかと不思議になった。

「はい? あの後、ですか?」

 ……いつのことなのだろうか。

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