【コミカライズ】仕事の出来る悪役令嬢、薄幸王子様を幸せにアップグレードしておきました。
 ウィリアムの頑固な癖毛はなかなか言う事を聞いてくれず、私はいつも香油を付けて梳かしてあげていた。これからは、ヒロインキャンディスの役目になる。

 『君と見る夕焼け』の中でだって、小説にはそういう記述はなかったものの、二人はウィリアムの髪をとかしたりする時間を過ごしていたのかもしれない。

「わかりました! モニカとして、ウィリアムとも和解済なんですね。仕事が速い! 流石です! 山下さん!」

 祈るように両手を組んで私を見つめる竹本さん……もとい、キャンディスに私は苦笑いした。

 竹本さんはこうしてわかりやすくおだてていれば、私が代わりに仕事をしてくれると思っている子なのだ……実際、教えるよりも早いと何度かやってしまったことが失敗だった。

 新人の自立心を育むために心を鬼にして見守れなかったということは、指導役の私の不手際にほかならないので、私たちが二人がこんな関係性になってしまったのも彼女のせいではない。


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