大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 屋敷へとやってきたモリスは、まずは風呂に入って着替えた。その風呂もモリスが自分で水をためてお湯にしたが、すべて魔法によるもの。手際のよさに、エレノアでさえ感嘆の声を漏らすほど。
 モリスが風呂で汚れと疲れを落としている間、着替えを準備したのはアニーだ。道ばたにバタッと倒れていた女性が賢者だと聞いて、そわそわしていた。
 そんなモリスは侍女のお仕着せ姿で、食べ物がたくさん並んだテーブルについた。もちろん、そこにはエレノアとセシリアの姿もある。
「わたくしたちもこれから朝食でしたから」
「本当にありがとう。エレノア、セシリア。私、お腹がペコペコで……いただきます!」
 出会ったときからお腹をぐぅぐぅと鳴らしていたのに、食事の場にふさわしい格好をしていないという理由で、きちんと湯を浴びて着替えたモリスを褒めてあげたい。
 セシリアはあたたかいコーヒー牛乳をごくりと飲んだ。砂糖もいれてあって、甘くて香ばしくて美味しい。
「このパン。かわっているね?」
 モリスが食パンを手にした。食パンもセシリアの謎の記憶をもとにジョゼフに作ってもらったパン。
< 120 / 231 >

この作品をシェア

pagetop