大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 シオンが身分を隠してフェルトンの街を訪れているのは、何か理由があるのだろうか。
 コンスタッドたちを部屋へと案内したエレノアが戻ってきた。
「エレノア、お疲れ様。代表代理も板についてきたな」
 父親がエレノアの肩をポンと叩くものの、彼女はどこか上の空のようにも見えた。
「お姉さま?」
「あ、ごめんなさい、セシリア。これからシング公爵たちとお茶をと思ったのだけれど、お外のほうがいいかしら? せっかくだから、砂糖を使ったお菓子を食べていただこうかと思っているの。シング公爵は砂糖に興味があるのよね、お父様」
「そうだ」
 父親は鷹揚に頷く。
「フェルトンの砂糖を、ロックウェル王国に正式に輸出しようと思っている」
 今までも砂糖を扱いたいといった商会は多かった。だが、それは国内にかぎって父親が許していた。
 だから砂糖の噂を聞いたロックウェル王国の者は、わざわざフェルトンで買って持ち帰っていたのだ。
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