大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 だけど、セシリアが学園に通うときには、そこにエレノアの姿はない。大好きな姉と一緒に学園に通えないのが不満だった。年が離れているから仕方ないのだが、それでも姉と同じ制服を着て、一緒に学園へと向かいたかった。
 それがセシリアのささやかな夢だった。
「そう、ね。今日からはセシリアとずっと一緒にいられるわね」
 そこでエレノアは視線を落として、庭園の花を見た。やはりそれは風に吹かれて、ゆらゆらと揺れていた。
「……いつの間にか、この庭園にもたくさんの花が咲いたのね」
 花を愛でる時間もないほど、エレノアは勉学に励んだ。朝早くから、夜遅くまで。王太子の婚約者としてふさわしい振る舞いをと思っていたところもあるのだろう。
「お姉さま。このお花は、わたしがお母さまと一緒に植えたのです」
 それをエレノアに教えたかった。
「まぁ、きれいね。それにこのお花……水魔法がかけられている?」
「そうです。お母様が水魔法の研究だといって、水やりをしなくても育つお花にしました」
「そうなのね」
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