大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 その場にしゃがみ込んだエレノアは、水魔法がかかっている花をじっと見つめた。
「こんな身近なところに、模範となるような人がいたのね。それに気づかないとは、わたくしも浅はかだわ」
 エレノアが何を言っているのか、セシリアにはさっぱりとわからなかった。
「今度はお姉さまも一緒にお花を植えましょう。セシリアも早く、お母様のように魔法が使えるようになりたいです。そうすれば、お花たちも元気になります」
 そのセシリアの言葉がきっかけになったか、エレノアの中で何かが吹っ切れたようだ。彼女はきりっと前を向く。
「よし。これからはこのエレノア様が、かわいいセシリアにしっかりと魔法を教えてあげましょう」
 わざとらしいくらいの明るい声だった。
 そしてセシリアは「やったぁ」と元気に飛び跳ねる。まだ学園に通う年齢に達していないエレノアが魔法を学ぶためには、誰かから教えてもらう必要がある。母親は、時間があるときにセシリアに魔法の基本を教えてくれるものの、やはり公爵夫人という立場もあってそれなりに社交関係が大変なようだ。だから「もっと、もっと」とせがむのもはばかれた。
 だが今日からは姉がいる。姉だって暇ではないのはわかっているが、それでもセシリアに魔法を教えてくれる時間くらいはとってくれるだろう。
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