大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 父は風魔法の使い手のケアード公爵家、そして母親は水魔法の使い手のコナハン侯爵家の出身だ。二人は、学園時代に出会ったと聞いている。政略的な結婚が多い魔法貴族のなかで、恋愛結婚をした二人なのだ。
 そしてエレノアは父親の魔力を受け継いだ。生まれたときから、彼女の側には風の精霊がいる。
「……そうですね。お母様のおっしゃるとおりだと思います。わたくしは、殿下に恋をしていたわけではありません。ただ、魔法貴族としての責務を全うしたいと……」
 そこでエレノアは言葉を詰まらせ、下を向く。
 もしかして姉が泣いているのではと、セシリアは焦ってしまうが、すぐにエレノアは顔をあげた。その瞳に決意の炎が灯る。
「ジェラルド殿下との婚約解消を受け入れます。慰謝料とか領地とかいらないのですが……くれるというのであればもらっておきましょう」
「だが、どこを選んでも収入の見込めない土地だぞ?」
 父親が言うように、厄介払いとでもいうような土地ばかりを提示してきたのだ。
「お父さま。土地のリストを見せてください」
 割って入ったのはセシリアだ。
 父親は驚いたようにパチパチ瞬いたが、すぐに土地候補の書類をセシリアに手渡した。
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