大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
 ふむふむ、と言いながらエレノアはセシリアの言葉を書き留める。
「原料糖ができたら、それをどんどんときれいにしてお砂糖にします。原料糖は黒っぽいですけど、きれいにする作業を繰り返すことで白いお砂糖ができます」
「なるほど……ようするに、不純物を取り除く作業ね。植物の中に含まれる不純物。どうやって取り除けばいいのかしら……?」
 するとエレノアの周囲がきらきらと光ったように見えた。それは、エレノアの側にいる風の精霊が、彼女に何か語りかけているから。精霊の姿や声は、契約している人間にしか見えないし聞こえない。だからセシリアから見れば、エレノアの周囲に光の粒子が舞っているように見えるのだ。
「そうなのね、ありがとう……セシリア、作業は風の精霊たちも手伝ってくれるって」
「すごいですね。風の精霊なら、すぐにお砂糖をきれいにしてくれると思います」
 セシリアの中の謎の記憶の持ち主は砂糖職人だったのかと思えるくらい、砂糖の作り方に詳しかった。その記憶を頼りに、セシリアは自分の言葉でエレノアに伝えるものの、エレノアだって砂糖は見たことも聞いたこともなかったはずだ。それをセシリアの説明から情報を汲み取り、さらに風の精霊の力を借りるところまでこぎつけた。
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