大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
二人が婚約したのは、十二歳から十八歳まで通う魔法貴族のための学園、王立アッシュクロフ魔法学園に入学した年である。当時はまだ王子だったジェラルドだが、学園の入学式でエレノアと顔を合わせ、惹かれるものがあったらしい。
それを国王に伝えたところ、国王はすぐさまエレノアをジェラルドの婚約者にと望んだのだ。王家からの打診とあれば、ケアード公爵も頭を悩ませた。エレノアには幸せになってもらいたい。
まだ十二歳、だが十二歳。
結婚相手を決めるのは早いとは思いつつも、生まれたときからその相手が決まっている者も多い。それが魔法貴族として生を受けた者の運命。
それでもケアード公爵は、我が子を政略の道具の一つにしたくないという考えの持ち主で、国に忠誠を誓ってはいるものの、理不尽なやり方に対してはがんがんと意見を言っていた。それだけの実力と権力があるから許されるのだが、エレノアが王族から望まれたとなればまた別の話。むしろ、エレノアの気持ちを尊重せねばならない。
だがエレノアは賢かった。この縁談を受けることでケアード公爵、いやこの国にもたらされる利益。そして断ったらどうなるかと、そこまで考えていたようだ。妹のセシリアもやっと歩き始めた頃で、その妹にも迷惑をかけるとでも思ったのだろう。
エレノアはジェラルドとの婚約を受け入れた。
政略的に結ばれた婚約だというのに、幼い二人の関係は仲睦まじいものであった。エレノアは賢い。自分がどのように振る舞えば、どう思われるのかをわかっていた。
それを国王に伝えたところ、国王はすぐさまエレノアをジェラルドの婚約者にと望んだのだ。王家からの打診とあれば、ケアード公爵も頭を悩ませた。エレノアには幸せになってもらいたい。
まだ十二歳、だが十二歳。
結婚相手を決めるのは早いとは思いつつも、生まれたときからその相手が決まっている者も多い。それが魔法貴族として生を受けた者の運命。
それでもケアード公爵は、我が子を政略の道具の一つにしたくないという考えの持ち主で、国に忠誠を誓ってはいるものの、理不尽なやり方に対してはがんがんと意見を言っていた。それだけの実力と権力があるから許されるのだが、エレノアが王族から望まれたとなればまた別の話。むしろ、エレノアの気持ちを尊重せねばならない。
だがエレノアは賢かった。この縁談を受けることでケアード公爵、いやこの国にもたらされる利益。そして断ったらどうなるかと、そこまで考えていたようだ。妹のセシリアもやっと歩き始めた頃で、その妹にも迷惑をかけるとでも思ったのだろう。
エレノアはジェラルドとの婚約を受け入れた。
政略的に結ばれた婚約だというのに、幼い二人の関係は仲睦まじいものであった。エレノアは賢い。自分がどのように振る舞えば、どう思われるのかをわかっていた。