大好きなお姉さまが悪役令嬢?!処刑回避のためにひきこもったら、隣国の王子に狙われているようです?
「一応、私が新しい領主になるわけだからね。挨拶くらいは必要だろう? それにエレノアが考えた砂糖の事業案。あれは、なかなかよかった。そのためにも商会長と繋がりはもっておきたい」
「お父様が側にいてくださるなら、心強いです」
「フェルトンの街。私も実際に足を運んだことはないんだ。報告書などで名前を見たことはあったが……。もっと早く、他の場所も気にかけておくべきだった」
 それは、慰謝料として提示された場所を気にかけているからだ。外交大臣として国外には目を光らせていた父親だが、国内は必要最小限の情報だけ。
「お父さま。まずはフェルトンの街を立て直して、うまくいったら他の場所にも砂糖事業を展開すればいいのです。砂糖を使った加工品とか……」
 セシリアの言葉に父親は目を丸くしたが「そうだな」と頷いた。
 そんな父親は、エレノアをフェルトンの街の領主代理として任命した。
「フェルトンの街……どのようなところかしら?」
 セシリアだってフェルトンの街に詳しいわけではない。さとうきびが風に吹かれてゆらゆらしている場所という記憶だけ。
(だってオープニングにしか登場しない、いわゆるモブ街……。いえ、本文にもちょっとだけ記載はあった。フェルトンの街がうんたらかんたら、って。でも、その肝心の内容を思い出せない)
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