【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「さぁ、戻りなさい。……あなたには、たくさん待ってくれている人がいるのよ」
一度だけ、私の身体をふわりとメラニーさんが抱きしめた。ほんのりと温かいその体温を感じて、私は小さく首を縦に振る。
そっと顔を上げて、メラニーさんと微笑み合って。彼女が背中を押してくれるから、私はそちらに一歩を踏み出す。
そして、また一歩、また一歩とそちらに足を踏み出して――ふと、私は後ろを振り返った。
「……メラニーさん」
その場所には、メラニーさんがいる。ただ、身体の色がどんどん薄くなっていて、まるで透けているかのようだった。
「私のことは気にしないの。行きなさい」
「……あの」
「でも、願いが叶うのならば。せめて、あなただけは、私の娘を忘れないで。そして、どうか。娘のお墓参りに行ってあげてね。……孫も、連れて」
「……はい――お祖母さま」
きっと、いつかはそんな日が来るんだろう。
それを再認識しつつ、私はまた前へ前へと足を進める。
ある程度進むと。私の目が開いて――意識を失う前の場所に戻る。
「……んっ」
うっすらと目を開けて、周囲をきょろきょろと見渡す。
どうやら私はソファーに寝かされているらしく、重い身体を起こす。すると、すぐそばにいてくださったのか旦那さまが駆け寄ってきてくださった。
「シェリル!」
ずきずきと痛む頭。まだ夢見心地な意識。
額を押さえて、旦那さまに笑いかけた。……あぁ、そうだ。
一度だけ、私の身体をふわりとメラニーさんが抱きしめた。ほんのりと温かいその体温を感じて、私は小さく首を縦に振る。
そっと顔を上げて、メラニーさんと微笑み合って。彼女が背中を押してくれるから、私はそちらに一歩を踏み出す。
そして、また一歩、また一歩とそちらに足を踏み出して――ふと、私は後ろを振り返った。
「……メラニーさん」
その場所には、メラニーさんがいる。ただ、身体の色がどんどん薄くなっていて、まるで透けているかのようだった。
「私のことは気にしないの。行きなさい」
「……あの」
「でも、願いが叶うのならば。せめて、あなただけは、私の娘を忘れないで。そして、どうか。娘のお墓参りに行ってあげてね。……孫も、連れて」
「……はい――お祖母さま」
きっと、いつかはそんな日が来るんだろう。
それを再認識しつつ、私はまた前へ前へと足を進める。
ある程度進むと。私の目が開いて――意識を失う前の場所に戻る。
「……んっ」
うっすらと目を開けて、周囲をきょろきょろと見渡す。
どうやら私はソファーに寝かされているらしく、重い身体を起こす。すると、すぐそばにいてくださったのか旦那さまが駆け寄ってきてくださった。
「シェリル!」
ずきずきと痛む頭。まだ夢見心地な意識。
額を押さえて、旦那さまに笑いかけた。……あぁ、そうだ。