【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「あの、試験のほうは……?」

 一番気になることを問いかけてみれば、旦那様はふっと口元を緩めてくださった。

「合格だと聞いている。想像以上だと」
「……そう、ですか」

 ほっと息を吐いて、胸を撫でおろす。でも、旦那様は何処か複雑そうな表情をされていた。

「ただ、道具のほうが耐えられなかったらしい。……神官たちは、日程調整は明日に持ち越すと言っていた」
「……そう、なのですか」
「あぁ」

 正直、今は身体も怠いし、意識もふわふわとしている。日程調整が明日に延びたのは純粋にありがたい。

「ところで、シェリル。大丈夫か?」

 旦那様が私のすぐ隣に腰を下ろされて、そう問いかけてくださった。

 だから、私はソファーに座り直して、彼の肩に頭を預ける。

「大丈夫です。……大したことは、ありませんでした」
「……だが」

 どうして、このお人はこんなにも心配性なのだろうか。

(けど、心配してくださっているということは、それだけ私が大切だっていうことよね……)

 だったら、それも案外悪くないのかも……と、思ってしまう。不謹慎だけれど。

「夢を、見たんです」

 目を伏せて、そんな言葉を口にしてみる。旦那様は「夢?」と怪訝そうな声を上げられていた。

「はい、とっても、すごい夢」

 面識のない自身の祖母と夢の中で会うなんて、相当レアな体験だと思う。

「……そうか」
「内容、聞かれないのですか?」
「別に、いい」

 旦那様の反応は、私の予想していたものとは真逆だった。

 その所為でぽかんとして彼を見つめていれば、旦那様はその手を伸ばして私の頬に触れる。

「シェリルの表情からして、悪い夢じゃなかったんだろう。……だったら、それでいい」
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