【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「その、一つ、聞きたいことがあるのですが」
ふと気になったことがあって。私は口を開いてみる。アネットさまとロザリアさんの視線が私に集中した。
「アネットさまにとって……旦那様は、もう過去のお人ですか?」
なんていうか、女々しい質問というか。絶対にないんだろうけれど、旦那様に未練があったら……って思うと、気が気じゃない。もちろん、何度もそれっぽいことは聞いているんだけれど……。
「ははっ、奥様って面白いわねぇ」
私の言葉を聞いて、アネットさまが笑われる。目元を拭う素振りを見せつつ、彼女は私をまっすぐに見つめる。
「過去の人もなにも、そもそも私、あいつのことそういう対象で見たことがないのよ」
「……え」
「手のかかる弟とか、そういう視点でしか見たことがないわ、残念ながら。あー、面白い」
ここまで笑うアネットさまを、初めて見たかもしれない。そう思う私を他所に、アネットさまは声を上げて笑われ続ける。
「親同士が決めた結婚なんて、そんなものよ。私はあの頃いろいろとあって、アイツの側から離れることを決めたけれど。……あの出来事がなかったとしても、私とギルバートは上手く行かなかったでしょうね」
「……そう、でしょうか?」
アネットさまほどの姉御肌のお人ならば、旦那様と上手くやっていけるような気もするんだけれど……。
そう思う私の考えなんて、アネットさまにはお見通しだったんだろう。彼女は「あのね」と言って唇に人差し指を当てる。
ふと気になったことがあって。私は口を開いてみる。アネットさまとロザリアさんの視線が私に集中した。
「アネットさまにとって……旦那様は、もう過去のお人ですか?」
なんていうか、女々しい質問というか。絶対にないんだろうけれど、旦那様に未練があったら……って思うと、気が気じゃない。もちろん、何度もそれっぽいことは聞いているんだけれど……。
「ははっ、奥様って面白いわねぇ」
私の言葉を聞いて、アネットさまが笑われる。目元を拭う素振りを見せつつ、彼女は私をまっすぐに見つめる。
「過去の人もなにも、そもそも私、あいつのことそういう対象で見たことがないのよ」
「……え」
「手のかかる弟とか、そういう視点でしか見たことがないわ、残念ながら。あー、面白い」
ここまで笑うアネットさまを、初めて見たかもしれない。そう思う私を他所に、アネットさまは声を上げて笑われ続ける。
「親同士が決めた結婚なんて、そんなものよ。私はあの頃いろいろとあって、アイツの側から離れることを決めたけれど。……あの出来事がなかったとしても、私とギルバートは上手く行かなかったでしょうね」
「……そう、でしょうか?」
アネットさまほどの姉御肌のお人ならば、旦那様と上手くやっていけるような気もするんだけれど……。
そう思う私の考えなんて、アネットさまにはお見通しだったんだろう。彼女は「あのね」と言って唇に人差し指を当てる。