【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
押し付ける気もない。彼女を救うつもりもない。だって、そんなの私に出来るわけがないから。
「ただ、私はあなたさまに寄り添いたい。だって、あなたさまに寄り添えるのは、今は私しかいないから」
その目をしっかりと見つめてそう言えば、彼女が唇を噛んだのがわかった。
「……偽善者」
そして、ぽつりとそう言葉を零す。
「そんなの所詮は偽善じゃろう。博愛主義者じゃないと言っておきながら、博愛主義者みたいなことを言う」
女神さまが、ふんっと鼻を鳴らされた。
「大体、どうしておぬしはそんなことが言える。……おぬしが一番、被害を受けた。怒っていいはずじゃ」
「怒ってますよ」
彼女の問いかけに、私はあっけらかんと答える。女神さまが、目を見開いた。
「怒ってます。えぇ、とっても怒ってます。お父さまやお義母さま、元婚約者のイライジャさま。そして……私自身にも」
……全部を他人の所為になんて出来ない。
「異母妹のエリカを歪ませた一人は、私でした。……あの子の心に少しでも寄り添っていれればと今でも思います」
愛されているように見えたエリカは、私よりもずっとずっと、孤独だった。
彼女はずっと悲鳴を上げていたのだ。それに気がつこうとしなかった私はあの子を歪ませた。
「……生き物は誰でも、何処かでミスをします。相手を傷つけます。けれど、肝心なのはその後どうするかだと思います」
謝るなり、償うなり。
そこが重要で、全部滅ぼして「はい、終わり」となっても誰も救われない。
……きっと、その選択を取れば女神さま自身の心にも暗い影が宿ると思う。
「私は誰彼構わず救いたいわけじゃない。……それでも、救いたい人はいる」
それが、私の心の底からの本音。本当の気持ち。
女神さまを見つめる。彼女は何処か苦しそうな表情を浮かべていた。
私は彼女のほうに近づいて、腕を伸ばす。……こういうこと、していいのかはわからない。
「ただ、私はあなたさまに寄り添いたい。だって、あなたさまに寄り添えるのは、今は私しかいないから」
その目をしっかりと見つめてそう言えば、彼女が唇を噛んだのがわかった。
「……偽善者」
そして、ぽつりとそう言葉を零す。
「そんなの所詮は偽善じゃろう。博愛主義者じゃないと言っておきながら、博愛主義者みたいなことを言う」
女神さまが、ふんっと鼻を鳴らされた。
「大体、どうしておぬしはそんなことが言える。……おぬしが一番、被害を受けた。怒っていいはずじゃ」
「怒ってますよ」
彼女の問いかけに、私はあっけらかんと答える。女神さまが、目を見開いた。
「怒ってます。えぇ、とっても怒ってます。お父さまやお義母さま、元婚約者のイライジャさま。そして……私自身にも」
……全部を他人の所為になんて出来ない。
「異母妹のエリカを歪ませた一人は、私でした。……あの子の心に少しでも寄り添っていれればと今でも思います」
愛されているように見えたエリカは、私よりもずっとずっと、孤独だった。
彼女はずっと悲鳴を上げていたのだ。それに気がつこうとしなかった私はあの子を歪ませた。
「……生き物は誰でも、何処かでミスをします。相手を傷つけます。けれど、肝心なのはその後どうするかだと思います」
謝るなり、償うなり。
そこが重要で、全部滅ぼして「はい、終わり」となっても誰も救われない。
……きっと、その選択を取れば女神さま自身の心にも暗い影が宿ると思う。
「私は誰彼構わず救いたいわけじゃない。……それでも、救いたい人はいる」
それが、私の心の底からの本音。本当の気持ち。
女神さまを見つめる。彼女は何処か苦しそうな表情を浮かべていた。
私は彼女のほうに近づいて、腕を伸ばす。……こういうこと、していいのかはわからない。