【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「私は、女神さまじゃない。だから、あなたさまの葛藤は、苦しみは、わからない」
「……それは」
「けど、あなたさまが今まで見てくださったこの国は、そんな悪いことばかりじゃなかった……と、思います」
そんな腐ったことばかりじゃない。
いいことだってあっただろうし、嬉しいことだってあっただろう。
「……バカじゃな、おぬし」
しばらくして、女神さまがそう言葉を発した。彼女の声は何処か震えている。
「メラニーそっくりだ。……あいつも、似たようなことを言いおった」
「……そりゃあ、血がつながっていますから」
「全部、もうどうでもよいわ」
小さくそう吐き捨てられた言葉。驚く私の腕の中から、彼女が抜け出す。
「……間違えるよな、そりゃあ、誰もが」
ぽつりと零された言葉は、私の耳にもしっかりと届いた。
「今回ばかりは、見逃してやる。……ただし、次はないからな」
女神さまが私のほうを見つめて、そう告げられた。
……私は大きく頷く。
「はて、じゃあ、少し寝る」
すたすたと祭壇のほうに歩くその姿は、凛々しい。
私が彼女に見惚れていると、彼女は最後とばかりに振り返った。
「――シェリル、おぬしが好きだ」
「え……」
「案外芯の強いおぬしを、気に入ったわ。おぬしを、おぬしの子孫を。……見ていたい」
それは、彼女の最後の言葉だった。
ぶわっと大きく吹いた風。目を開ければ、もうそこに女神さまはいない。
……そして、私は……その場で、意識を失った。
「……それは」
「けど、あなたさまが今まで見てくださったこの国は、そんな悪いことばかりじゃなかった……と、思います」
そんな腐ったことばかりじゃない。
いいことだってあっただろうし、嬉しいことだってあっただろう。
「……バカじゃな、おぬし」
しばらくして、女神さまがそう言葉を発した。彼女の声は何処か震えている。
「メラニーそっくりだ。……あいつも、似たようなことを言いおった」
「……そりゃあ、血がつながっていますから」
「全部、もうどうでもよいわ」
小さくそう吐き捨てられた言葉。驚く私の腕の中から、彼女が抜け出す。
「……間違えるよな、そりゃあ、誰もが」
ぽつりと零された言葉は、私の耳にもしっかりと届いた。
「今回ばかりは、見逃してやる。……ただし、次はないからな」
女神さまが私のほうを見つめて、そう告げられた。
……私は大きく頷く。
「はて、じゃあ、少し寝る」
すたすたと祭壇のほうに歩くその姿は、凛々しい。
私が彼女に見惚れていると、彼女は最後とばかりに振り返った。
「――シェリル、おぬしが好きだ」
「え……」
「案外芯の強いおぬしを、気に入ったわ。おぬしを、おぬしの子孫を。……見ていたい」
それは、彼女の最後の言葉だった。
ぶわっと大きく吹いた風。目を開ければ、もうそこに女神さまはいない。
……そして、私は……その場で、意識を失った。