【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
そう思っていると、アネットさまが一歩を踏み出す。そして、私に微笑みかけてくださった。
「……正直、上手く行くなんて思いもしなかったわ」
「アネット、さま……」
目を伏せた彼女が、とても儚く見えてしまう。
「……私の妹のように、あなたがいなくなるんじゃないかって、思ってしまった」
「妹、さん」
「えぇ、そうよ。もうずっと前に亡くなった、私の可愛い妹」
顔を上げて、遠くを見つめたアネットさま。……ただ、慈しむような目をしていると思う。むしろ、そうとしか思えない。
「当時の私は自棄になっていた。……その所為で、ギルバートをたくさん振り回したわ」
懐かしむような声。アネットさまが、また一歩私のほうに近づいてくる。
「……でも、ギルバートが幸せになれてよかった。……これからも、あの困った男をよろしくね」
その手が私の背中に回って、ぎゅっと抱きしめられた。
私はこくんと首を縦に振るのが精いっぱいで。こみあげてきた涙を、拭うこともできなかった。
「アイツはヘタレだし、肝心なときに頼りないし、不器用だし。……それでも、あなたを想う気持ちは、誰にも負けないはずだから」
「……そうですね」
そのうえで、私が旦那様を想う気持ちも、誰にも負けないはずだ。
心の中だけで付け足した私の言葉が伝わったかのように、アネットさまが笑われる。
「……正直、上手く行くなんて思いもしなかったわ」
「アネット、さま……」
目を伏せた彼女が、とても儚く見えてしまう。
「……私の妹のように、あなたがいなくなるんじゃないかって、思ってしまった」
「妹、さん」
「えぇ、そうよ。もうずっと前に亡くなった、私の可愛い妹」
顔を上げて、遠くを見つめたアネットさま。……ただ、慈しむような目をしていると思う。むしろ、そうとしか思えない。
「当時の私は自棄になっていた。……その所為で、ギルバートをたくさん振り回したわ」
懐かしむような声。アネットさまが、また一歩私のほうに近づいてくる。
「……でも、ギルバートが幸せになれてよかった。……これからも、あの困った男をよろしくね」
その手が私の背中に回って、ぎゅっと抱きしめられた。
私はこくんと首を縦に振るのが精いっぱいで。こみあげてきた涙を、拭うこともできなかった。
「アイツはヘタレだし、肝心なときに頼りないし、不器用だし。……それでも、あなたを想う気持ちは、誰にも負けないはずだから」
「……そうですね」
そのうえで、私が旦那様を想う気持ちも、誰にも負けないはずだ。
心の中だけで付け足した私の言葉が伝わったかのように、アネットさまが笑われる。