【完結】年の差十五の旦那様Ⅲ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷な辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「アストリアはシェリルにそっくりだからな。……きっと将来、美人になる」
「……言い過ぎですよ」
「いや、間違いなくそうだ。……そして、何処かの男と結婚するんだろうな」

 旦那様はそう呟いて、落ち込んでいらっしゃった。……完全に自滅じゃない。

「父さま。アストリアは俺が守ります。変な奴には渡しません」
「そうだな、リッカルド。……お前ら兄が守ってくれるわけだし、きっといい男を選ぶさ」

 ……この二人、一体十何年後の話をしているのだろうか。アストリアはまだ生後半年なのに……。

「一体十何年後のお話をされているんですか。歩くのも話すのもまだなのに」
「母さま。きっと十年なんてあっという間です」
「……まぁ、そうなのかもね」

 この間まで生まれたばかりだと思っていたリッカルドも、十歳を迎えたわけだし。

 十年は、長いようで短いのかもしれない。

(十年後なんて、想像もできないと思うけど……)

 でも、十年前も似たようなことを思っていた。考えていた。

 けれど、あのとき想像した以上の未来が私の元にはある。

(女神さま。……どうか、この子たちを見守っていてね)

 あのときの約束を、私は今も胸に刻んでいる。

 女神さまのことだ。多分――私の子供たちを、何処かで見ているんだと思う。

「生まれてきてくれて、ありがとう」

 リッカルドも、セルファースも、ルーラントも。もちろん、アストリアも。

 私と旦那様にとって、なににも代えがたい宝物。

 だから、私はこの子たちが幸せになれるように全力でバックアップする。

「旦那様。この子たちが幸せになれるように、私たちもやれることをやりましょうね」
「……あぁ」

 ――この子たちの未来に、幸福が多いことを。私たち夫婦はは心の底から、祈っている。


【END】
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